一歩踏み出す爽やかに暗い
鰯山陽大
「爽やか」(季語・秋/三秋)
○爽やかとは、もともとはさらりと乾いた秋風が吹くことをいう。次にその風に包まれるときの感じをいうようになり、さらに秋のここちよい気分をいうようになった
もうすでに「?」となった人もいるかもしれませんが、「爽やか」は秋の季語です。
秋独特の香りや温度感、さらりと触れる風の質感。
これを意識して、もう一度句を感じてみてください。
季語を信じてみて、秋の俳句であると認識した後に読み解く、この句の「爽やかに暗い」中での「一歩」。
あなたはどのような「一歩」を想像しましたか?
『歩くのが辛い中での一歩』。
『横断歩道などでふと立ち止まり、なにかに思いを馳せたあとの一歩』。
『なにかを決心した日の玄関を出る一歩』。
何気なく歩いているのとは違い、踏み出す一歩目を意識する時は必ず、憂いや葛藤、勇気や愛情、悲しみや不安をはらんでいると思います。
そんなあなたの一歩を応援したい。
そんな一句を詠みました。
そしてこの俳句は、5・7・5のリズムから逸脱した、「自由律俳句」です。
山口県の俳人・種田山頭火の自由なリズムを踏襲して、自由律俳句からわたしの関門ノートへの一句目、一歩目を踏み出そうと思います。
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