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あんラバーズに捧ぐ、老舗和菓子屋のこだわりのあずき
『アンアンアンとっても大好きばいじゅ~けん~』
と口ずさみながら行ってきました、昔から地元に愛される和菓子屋の「梅寿軒」さん!
1903年創業の老舗和菓子屋さんです。
初代のころは、作ったお菓子を女将さんが行商として売りに出ていたそう。
わかめ餅。「梅寿軒」さんに来たからには必ず食べていただきたい。その風貌については後ほど。
迎えてくれたのは、小学生のころからお店を手伝っていたという4代目の倉本さん。当時は小豆の選別作業などを主にしていたそうです。
小さい豆と書いて小豆なわけですけれども、本当に小粒ちゃんです。ひー!これを選別していくなんて絶対目がウヨウヨする作業だけど、味を左右するとっても大事な作業。
「梅寿軒」さんの「梅もなか」には「赤あん」と「白あん」があります。
通常白あんというと、いんげん豆を使用しますが、「梅寿軒」さんが使うのは白いあずき!
こちらが白いあずき。
大豆のようですが、サイズはあずき!つまり小粒ちゃん。うほーはじめて見た~!どうやって作るんですかねー?と聞くと、「ねー!どうやるんでしょうねー!」と一緒に笑ってくれる倉本さん。
ぷちっとした甘みが自慢!「梅もなか」
粒あんというと、たいていあずきは潰れているものが多いのですが、「梅寿軒」さんの「梅もなか」の粒あんは潰れていないのが最大の特徴!え?どういうこと?
食べちゃいましょう。まずは外装から。「赤あん」の大納言と、「白あん」の白小豆。
しっかりと刻まれた「梅寿軒」の文字。そして…
こういうことです!見えますでしょうか、このきらめくぷちぷちしたあずきちゃんが!食べるとはっきり分かるのですが、あずきちゃんたちが潰れずにしっかりとコロコロいるのです。まさか口から出して「はい」と見せるわけにはいかないので、食べて感じていただきたい。これはすごい。手作業だからできる職人技。
こちらは白いあずき。色味的に分かりづらいですが、こちらも白あずきちゃんがコロコロとしておりました!「ぷちっとした甘みがたのしめ、職人的にも推したい」という唯一無二の「梅もなか」は売れ筋ナンバーワン。粒あん大好き。嗚呼、おいしい。
圧倒的な存在感を放つ異色の「わかめ餅」
「ちなみに売れ筋2番は…?」と聞くと『「わかめ餅」派と「志ぐれ」派にきれいに分かれるんですよ~』とのこと。
え?どういうこと??
食べちゃいましょう。わかめ餅は外装からわかめ色。
まずは「志ぐれ」。あずきちゃんがすけすけですよ。
まわりは求肥ですが、その薄さはプレパラート以下ではないかと思われます。ほろっと割ることができました。あずき好きにはたまりません。12個1ケースにしていつも持ち運びたい。
続きましてわかめ餅。すでに海藻感を惜しみなく出しています。気になるお味は…
わ か め
わかめです。とってもわかめです。お味噌汁に入っててもなんら違和感ないくらいです。しかしきちんとお菓子。「梅寿軒」さんのお菓子の中で一番の古株選手かもしれないというわかめ餅。その存在感は桁違い。
なるほどこれは確かに二極化しちゃいますね。
新年を祝う季節限定のお菓子の「花びら餅」。由来は平安時代まで遡る
「梅寿軒」さんには定番のお菓子とは別に季節のお菓子があり、今だと「花びら餅」があるそうで、どんなものか聞くと、「外側は紅白のお餅に、あんは味噌あんで、蜜漬けしたごぼうが挟んであります。」
え?ごぼう?野菜の?どういうこと???
食べちゃいましょう。裏千家で新年の初釜(年始めの茶事)のときにいただくという「花びら餅」。お正月のお菓子として親しまれているようです。
「梅寿軒」さんはお餅ではなく、ういろう生地を使用。
なんで味噌?なんでごぼう?なんでお正月?と疑問だらけだと思うので、みなさんに代わって調べていくと、平安期の宮中にあった「歯固めの儀式」という新年行事に遡るようです。
白い丸餅に赤い菱餅を置き、その上に大根や鮎の塩漬けなどの硬いものを乗せ、それらをガリっと食べて長寿を願っていたこの行事。それが簡略に簡略をかさね、いつの間にやらお雑煮にして食べちゃうようになり、それがお菓子になって残ったみたい。ごぼうは鮎の代わり。
味はなんとも不思議なハーモニーで病みつきです。まさか800年後にこんなやわらかいお菓子になるとは当時誰が予想できただろう。
そんな由緒ある「花びら餅」は、なくなり次第終了ですので、お早めにー!5個入りで1,080円(税込み)。みんなで食べて、新年を祝いましょう!
イートインスペースもあるのでお気軽にどうぞ。
紹介しきれませんでしたが、「いしごろも」というお菓子もチェックしてみて!