お酒への愛情が溢れるお店
1989年に創業し、もうすぐ30年を迎える老舗の酒屋、まえつる。
お酒好きのみならず、『d design travel』にも取り上げられたことでご存知の方も多いのでは。
店内には所狭しとお酒が並んでいます。地酒をメインとした日本酒や焼酎、そして果実酒など和のものが中心です。
まえつるには、お酒の品揃えだけでなく、特筆すべき個性的な特徴がいくつかあります。
まずは、“量り売り”。小さめの瓶を買うことで、お好きな銘柄のお酒を量り売りしてもらえます。
一升瓶だと冷蔵庫で保管する際場所を取ってしまいますが、小さめの瓶なら冷蔵庫でもそれほど場所を取りません。しかも色んなお酒を少しずつ楽しむことができる!!お客さまのことを考えた、ありがたいシステム♪
日本酒はもちろん、店内には大きな焼酎の樽もありました^^
二つ目は、“角打ち”。
まえつるさんの営業は午後21時までですが、閉店後の21時から一日限定5名様まで、店内で角打ちができます。
完全予約制で、店舗自体は閉めている状態なので外観からはまさか店内で角打ちが行われているとは一見分からないそうで、まるで隠れ家のような特別感が味わえます。
角打ちとは、酒屋さんの一角でお酒が飲めること。しかし、まえつるさんの角打ちはただの角打ちではないのです!少人数制ということもあり、お酒のイロハをじっくり教えてもらえるそう。
例えば、“純米酒”と“吟醸酒”、“原酒”と“生酒”など、お酒は好きだけれどよくわからない用語などをじっくり聞くことができます。言葉の意味を知ればどんなお酒かもわかり、やみくもにネットの評価などに頼って買うのではなく、自分の好みに合ったものを自分で選べるようになるとのこと。
まえつるの若き二代目・前鶴健蔵さんは「お酒に興味を持ってもらう、その興味の入口まで案内したい」とおっしゃいます。
なので、普段はビールしか飲まないような“日本酒や焼酎も飲んでみたいけれど、どういうところから手を付けていいのかいいかわからない人”にぜひ来てほしい、と健蔵さん。
もちろん、わたしのような日本酒好き・焼酎好きな方はなおよし!と言っていただきました。笑
日本酒や焼酎をゆっくり楽しんでほしい、という思いから、少人数制のほぼ貸し切りのような贅沢な角打ちを味わせてくれるまえつるさん。
このお酒ならワイングラスが合う…など、器まで選んでくれるそうです。粋ですよね~。銘柄を指定してもよし、おすすめのお酒を聞いてもよし。
おつまみは簡単なものはあるそうですが、ゴミを持ち帰っていただければ持ち込みもOK。20歳以上であれば、一見さんでも、お一人さまでもOKとのことです!!
時には東京などへ出張も!
店舗での角打ち以外にも、出張角打ちも行っているまえつるさん。
近隣でのイベント出店ももちろんですが、前述した『d design travel』で取り上げられたことにより、東京都心にあるヒカリエ『d47 design travel store』で定期的に角打ちを開催しているそう。
東京で角打ちを行うことには大きな意味があるそうで、メディアで取り上げられるよりも、生の声が聞けたり、SNSで話題にしてもらえたり、山口のお酒に興味を持ってもらって、それが山口県に来るきっかけになったりすることがすごく嬉しい、と健蔵さん。
そんなまえつるさんの活動を後押しするように、山口県の地酒は全国で唯一10年連続売り上げ増を記録しているのだとか♪
日本酒のことがイチから勉強できる会
さて、まえつるさんにはもうひとつ大きな活動があります。それが、酒の会。
毎回色んなテーマを設けて、酒蔵の人に来てもらうなど、酔っぱらうまで(!)お酒を飲みながら楽しく勉強するのだそう。
その活動の一環で、なんと蔵と協力して、お酒を造るためのお米を一年かけて田植えから収穫まで行ったこともあるのだとか!
それも、よりお酒を身近に感じてほしい、もっとお酒を好きになってほしいという思いがあるからこそ。
酒の会では、酒蔵の方のお話とお客さまのお話が両方聞けるので、健蔵さん自身とても勉強になるそう。
酒蔵の方に来ていただくだけでなく、健蔵さんも自ら酒蔵を訪ねることも多いそうで、蔵に行ってお客さまの情報をリアルタイムに伝えたり、持ち帰った情報を蔵の代わりにお客さまに発信したり、お客さまと酒蔵を直接繋げています。
とことんお客さまがお酒に親しむための努力を惜しまないまえつるさん。
酒好きとしては、頭が下がる思いです!!
常にお酒を愛する人の味方であり、そんな人が増えることを願っているまえつるさん。
ちょっといい器、ちょっといいアテ、そしてちょっといいお酒で生活の質が上がり、お酒がある暮らしは「今日も一日がんばった」自分へのご褒美になります。
初心者さんからお酒好きさんまで、親身に寄り添ってくれるまえつるさんで、ぜひお気に入りのお酒を見つけてください♪
ちなみに、店内の達筆の筆文字は、健蔵さんが書いたもの。お店のロゴは健蔵さんが小さい頃に書いたものをそのままロゴに使っているのだとか。そちらにも注目してみてくださいね^ ^