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【イベント】 知ってた?下関市指定無形文化財 神事「亀山能」

下関市中之町1-1 [Google Map]
083-231-1323
 6:00~19:00 (参拝)
定休日なし
地図や駐車場など詳細な情報はこちら

2年ぶりの上演「亀山能」

皆さま、こんにちは。山乃撫子です。あなたは「能」鑑賞をされたことがありますか?能は狂言(コメディ)と共に上演される日本伝統芸能。実は、下関市に「亀山能」という下関市指定無形文化財があることをご存じでしょうか?

今年11月6日(土)・7日(日)、亀山能は2年ぶりに亀山八幡宮の儀式殿で上演されます。昨年はコロナ禍において上演中止。今回の上演は文化庁芸術活動支援事業として、観世流と金剛流の二流が一日ずつ上演するという、亀山八幡宮史上初の試み。例年は一年ごとに、観世流と金剛流が交代で上演しています。コロナ感染状況に応じ、観客数も半分に減らし、コロナ感染症対策も整えるため、主催者である亀山八幡宮はじめ関係者の方々も、大変慎重に準備を進めている様子でした。

亀山八幡宮

「亀山能」の歴史

亀山さんの「能楽堂」画・今井平馬作

 

さて、「亀山能」とは?その歴史は意外と古く、なんと! 文禄3年(1592)、豊臣秀吉が朝鮮出兵で現在の佐賀(肥前名護屋)に向かう途中、下関に滞在。亀山八幡宮に戦勝を祈願しに参拝、その御礼に能を奉納して、長府藩初代藩主・毛利秀元とその家臣達を慰労しました。その時、秀元は、翁面(おじいさんの顔の能面)を秀吉から賜り、その面を亀山八幡宮に奉納。以後、その翁面を使用して能を奉納されるようになりました。つまり約430年前から、亀山能は上演されてきたのです。元禄3年(1690)、長府藩3代藩主・綱元が能舞台を寄進しましたが、文政11年(1828)下関地方を襲った台風により能舞台は倒壊。しかし翌年、商人たちの寄進により能舞台が再建されましたが、第二次世界大戦の空襲で焼けてしまい、亀山能の上演も途絶えた時期も数回ありました。再復興は平成元年(1989)、平成30年(2018)には再復興30周年特別能も上演されました。

そんな亀山能、当時は長府藩費で開催、長府藩おかかえの能楽師が24家もあり、戦前は謡(能の唄)をされる下関の商人たちにより、大変さかんに上演されていた時期があったそうです。ただ近年、日本の人口減少同様、能楽人口(能をする人も鑑賞する人たち)も減っています。そんな中、平成元年から宮本隆吉先生を中心に、亀山能を子供たちに引き継ぐ教室が、西部公民館で開催されています。亀山能の前座は、お子さんたちのお披露目の場でもあります。

亀山能の翁渡式(おきなわたしのしき)

もう一つ、亀山能には「翁渡式(おきなわたしのしき)」という儀式があります。亀山能当日の午前に、「神歌」(翁の謡)を奉納、秀吉からの「翁の面」をお披露目する式です。一年に一度だけ、翁渡式の時のみ、面を出すという大変貴重な日です!しかも、神前に座る謡の人たちしか「面」を身近に見ることができないので、儀式を見るだけでも価値があります。この儀式は、亀山能の上演と異なり、戦時中も昨年のコロナ禍でも途切れることなく開催されているそうです。長い歴史の中、絶えずに継続してきた方たちの努力をひしひしと感じました。

亀山八幡宮の歴史は、下関史であることを改めて認識しました。それについては、また別途、お伝えしたいと思います。今年、亀山能初日のメイン演目は「鵜飼」、シテ(能舞台の主役)を下関出身の能楽師・宮本茂樹氏が勤められます。能は「理解する」ものでなく、「観る」もの。一つの能面で表現される喜怒哀楽、狭い視界で約5m四方の舞台を舞う技術、ゆっくりとした動きの中に見る強靭な筋肉、日本の古典の謡や楽器、衣裳などなど、様々な観点で楽しめます。下関でプロの能楽師が舞う舞台を鑑賞できる貴重な機会です。ぜひ、日本の伝統芸能、そして下関市無形重要文化財「亀山能」に触れてみようではありませんか!

亀山八幡宮の下には海がありました。(今井平馬作)

「亀山八幡宮」の地図や駐車場など詳細情報

神事「亀山能」について

 下関市指定無形文化財 神事「亀山能」
 亀山八幡宮
 2021年11月6日(土)観世流・7日(日)金剛流
 13:30〜開演
拝観料 一日拝観券/5000円
亀山八幡宮

会場について

 亀山八幡宮「神事 亀山能」
下関市中之町1-1
083-231-1323お問合せ・ご予約(亀山能楽会)
 6:00~19:00(参拝)
定休日なし
駐車場は市営・亀山八幡宮下を利用
亀山八幡宮

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山乃 撫子
山乃 撫子
2017年、先祖代々の地「下関」を世界に広めたいと移住。
人にもスポットを当てながら、関門の魅力を発掘・拡散していきたいと思います。
よろしくお願い致します。
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