下関市田中町5-7[Google Map]
083-250-7666
9:00~17:00
休館日/火水
地図や駐車場など詳細な情報はこちら
Contents
「田中絹代」知ってる?
皆様、こんにちは。山乃撫子です。下関にある下関市立先人顕彰館「田中絹代ぶんか館」を知っていますか?
あなたは、映画がお好きですか?好きな監督、俳優さんはいますか?質問ばかりでごめんなさい。
「田中絹代」という女優がいました。下関にゆかりのある女優さんです。正直、なんとなく聞いたことある『「昔」の女優さん』くらいにしか、認識していませんでした。
でも、下関市立近代先人顕彰館「田中絹代ぶんか館」を訪れ、実はすごい女性だったことを知りました。なぜすごいのか?いざ「田中絹代」探訪へ、Let’s go!
毎日映画コンクールと田中絹代賞
映画好きな方はご存じかと思いますが、「毎日映画コンクール」という日本映画アワードがあります。2022年、第76回日本映画大賞にアカデミー賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」、日本映画優秀賞「すばらしき世界」、男優主演賞・佐藤健「護られなかった者たちへ」などが受賞しているメジャーな映画賞です。実はその中に「田中絹代賞」があり、名だたる女優さんたちが名を連ねます。1985年第一回受賞は吉永さゆり、その後、大竹しのぶ、松坂慶子、草笛光子、鈴木京香、桃井かおりをはじめ、今年は大ベテラン・宮本信子が受賞しました。https://kinuyo-bunka.jp/kinuyo/award/kinuyo_award.html
「田中絹代」のこと
女優と監督の両立
それでは、田中絹代自身はどんな女優だったのか。現代風の際立った美人ではないけれど、いろんな顔を持つ女優だったようです。美しく、かわいらしく、高貴にも、庶民的にもなれる。そんな彼女に魅了された溝口健二、木下惠介、小津安二郎という、日本映画を牽引してきた大監督たちが彼女を起用し、1975年、「サンダカン八番娼館・望郷」でベルリン国際映画祭最優秀女優賞・銀熊賞を受賞するまでの大女優になりました。
さらに、1953年「恋文」で、日本で2番目の女流監督としてデビュー。女優業と監督業を両立させながら、9年間で6作品を生み出しました。1950~60年代の日本、特に映画界は男性中心社会だったと推測するのですが、先輩監督から鍛えられ、監督業のサポートを受けたそうです。男性社会の中で活躍する女性ははじかれやすいものですが、田中絹代の映画に対するひたむきな姿勢に、大監督たちは心を打たれたのだ、と勝手に思っています。
監督としての視点
絹代映画はすべて「女性の視点」。びっくりしたのは『乳房よ永遠なれ』という映画の題材。1955年の作品ですが、なんと「乳がん」がテーマ!!2020年アメリカの研究所によると、世界で220万人以上の女性が乳がんと診断されるくらい現代社会において、女性には脅威的な病気の一つなのです。(男性でも少ないけどあるそうですよ。https://www.cancer.net/cancer-types/breast-cancer/statistics)今から67年前に、乳がんを題材にしているって、絹代さん、先見の明がありすぎです。まだ作品は観たことがありませんが、それを知り「是非作品を観たい!」と強く思っています。
現代社会でも活躍する女性の大変さは実感していますが、70年ほど前の日本社会で、しかも映画界ではどんなに大変だったろうと思わずにいられません。
田中絹代さんの「死んだら下関に帰りたい」と願った気持ち。そして、それを実現しようと奔走した多くの方がいたこと。感謝しかありません。
田中絹代記念館は、この下関にあります。皆さん、日本を代表する大女優「田中絹代」のすばらしさを、是非、知って感じてほしい!ちなみに、この4月から記念館は入場無料になりました。どなたでも気軽に入館できますよ。
「田中絹代ぶんか館」の地図や駐車場など詳細情報
下関市立先人顕彰館(愛称:田中絹代ぶんか館)
下関市田中町5-7 2階
083-250-7666
9:00~17:00
休館日:火水
駐車場なし/市役所パーキング、コインパーキング利用のこと
田中絹代ぶんか館
「田中絹代ぶんか館」の近くにあるお店
https://www.kanmonnote.com/nandan/