40年!
下関に、絵本や児童書の専門店があるのをご存知ですか?
「こどもの広場」は、今年の11月で丸40年を迎える“こどもの本の専門店”です。
40年も前に児童書の専門店が、しかも下関でオープンしたとは驚きです。当時、児童書の専門店は日本でも23軒目だったそう。
どうして下関に児童書の専門店をオープンしたのか?代表の横山さんにお話を伺いました。
当時、横山さんは離婚を経てシングルマザーに。二人のお子さまのために、仕事を探していたときでした。
小さい頃から本は好きだったそうですが、お子さまが生まれてから児童書というジャンルを知ったそう。
子どもたちは絵本や児童書を何回も何回も繰り返し読んだり、読んでとせがんだりします。しかし大人は一度読んだらすぐに読み返したり何度も読み返したりはなかなかしません。
そんな様子を見て、子どもの感性は大人とは違うんだなぁ、と感じた横山さん。
そして、そんな感性が豊かな子どもたちが何回も読む児童書ってすごい本だ!と感銘を受けたのだとか。
ところが、児童書をたくさん扱っている本屋さんは、当時の下関にはありませんでした。
「それなら自分でやろう!」と思い立った横山さん。商売のことも本屋さんのことも何も知らなかったそうですが、勢いと気持ちでお店をオープン!
当初はわずか5坪のお店から始まったそうです。
7年目を迎えた頃、現在の店舗となる倉庫を格安で譲ってもらえることに。しかし、広くなった分資金もかかります。
そんなとき、話を聞き付けた絵本作家さんをはじめとするたくさんの人たちが出資をしてくださり、株式会社として運営できることになりました。
そうして、たくさんの方たちに支えられ、今日まで40年、続けてこられたのだそうです。
40年続けてくるためには、本を売るだけではなく、さまざまなイベントも行ってきました。
まず、こどもの広場ではとても重要な活動を定期的に行っています。それが、選書会。
小中学校に、こどもの広場で厳選した500冊もの本をすべて持っていき、その中から自分たち自身で図書室に置く本を選んでもらう、というもの。
学校図書館をもっと魅力的なものに、という想いもあるそうですが、なるべくたくさんの本にふれてもらい、その時その瞬間の子どもに共鳴する本に出会ってほしい、という願いもあるそう。
選書会で本を紹介すると、みんなキラキラした瞳で真剣に聞いてくれるのだとか。選書会での写真を拝見しましたが、並んだ本を選ぶ子どもたちは笑顔だったり本の世界に夢中になったり、とてもいい顔をしていました。
さらに、講演会や絵本の原画展も積極的に開催し、なんとムーミン展を日本で初めて行ったのは横山さんだとか!その他にも、一泊二日でシンポジウムを行うなど、面白い試みをいくつもやってきたそうです。
最新のイベントは、2年に1度、世界中で一人だけが受賞できるあの『国際アンデルセン賞』を受賞された角野栄子さんの講演会(残念ながらチケットは完売)。
角野さんのように、横山さんと親交のある作家さんがイベントに駆けつけてくれることも多々あるそうですので、今後もこどもの広場のイベントは要チェックです!!
(後半につづく)