山奥にある、ノスタルジックな空間
佐賀といえば有田焼や伊万里焼、長崎といえば波佐見焼、福岡といえば小石原焼など、陶磁器には様々な種類がありますよね。
今回は、備前焼「陶房ゴウハラ」さんの世界をお届けします。
車のナビを使って大通りから山道へ入っていくと、なかなかの急勾配。間違ったかなーと不安に思っていたら看板をみつけてホッ。
入口にある門は杉皮葺かな? あとから伺うと、道の駅にある水車小屋を撤去する際に頂いてきたものだそう。凄い!
入口には愛犬マキ注意の札(笑)猫オブジェももちろん郷原さんの手作りです。
中に入るとキンキラ招き猫様がお出迎え。なんて愛らしい姿(笑)味がありますよね。
薪ストーブ発見!なんだろうこの懐かしい感覚は。流れている時間が外とは違ってすごくゆったりです。タイムスリップしたみたい。
備前焼、ご存知ですか?
備前焼とは、「日本六古窯」の1つで、岡山県備前市伊部地区の良質な陶土で一点づつ成形し、釉薬(ゆうやく)も使わずそのまま1200度近い温度で1~2週間じっくり焼き締めた硬質の炻器(せっき)のことで、
- 土の色を最大限に活かし自然のままの姿をもった独特の風合いがあり、ザラザラした感触がある
- 1点づつ成形して焼くため、何一つ同じものはできないない ”オンリーワン陶器”である
- 使えば使うほどに絹豆腐のような質感で手に馴染むようになり、色味や感触の変化を楽しむことができる
という特徴があります。
1つ1つの作品が本当に愛らしくて、大切に大切に使い込んでいきたくなるし、料理を盛り付けたときのこと、お花を生けたときのこと等を想像して、すごく馴染むだろうなぁと嬉しくなってくるんです。
郷原さんは門司区出身ですが、備前焼に魅せられ、人間国宝(故)山本陶秀さん/岡山県重要無形文化財の山本雄一さんに約10年間師事。
その後、岡山県の田土や山土を北九州に持って帰り、門司港アート村(現:門司港美術工芸研究所)にて作陶をはじめました。
使う土のバランスや焼締め方で陶器の表情や色味を変えて、模様は藁などの自然なものを使います。「土そのもの、自然そのもの」それが備前焼の良さです。
現在は、穴窯はもちろん、アトリエもギャラリーもご自宅まで手作りしてしまった郷原さん(笑)そういう1つ1つのエピソードに郷原さんの優しさやこだわりが詰まっていて、滲み出てくるのは紛れもなく”愛”なんです。
是非ともこの穏やかな郷原ワールドへ行ってみてください。また、作品は門司港デザインハウスでもお買い求めいただけるようです。
きっとあなたも、備前焼陶房郷原のファンになること間違いなし!